海外に住んでいる日本人が、日本で不動産の購入や相続などの手続きをするとき、「海外のどこに住んでいるのか」を証明する書類が必要になることがあります。そのために日本大使館や総領事館などの在外公館が発行するのが「在留証明」です。在留証明は、日本に住民登録がない海外在住の日本人について、外国での住所を公的に証明する書類です。不動産登記のほか、年金などの手続きにも利用されています。
これまで在留証明は、基本的に紙の証明書として受け取る必要がありました。しかし、2025年5月から、電子データで受け取ることができる「e-証明書」の制度が始まりました。在留証明について電子交付に対応している在外公館では、「e-在留証明」として受け取ることができます。これにより、条件を満たせば大使館や総領事館の窓口へ行かず、申請から受取りまでオンラインで済ませることが可能になりました。
申請は、外務省の「オンライン在留届(ORRネット)」から行います。あらかじめオンラインで在留届を提出し、ORRネットにログインして証明書を申請します。e-証明書を希望する場合、手数料はクレジットカードでオンライン決済します。
ただし、すべての在外公館で、すべての証明書をe-証明書として発行しているわけではありません。対応している証明書の種類は在外公館によって異なるため、申請前に居住地を管轄する日本大使館や総領事館のホームページを確認する必要があります。
在留証明は、日本の不動産登記において海外住所を証明する書類として使用することができます。たとえば、海外に住む日本人が日本の不動産を購入して所有者になる場合や、住所変更の登記をする場合などです。e-在留証明を利用できれば、海外から紙の証明書を取り寄せる手間を減らすことができ、海外居住者にとって便利な制度といえるでしょう。
なお、提出先によっては、まだe-証明書に対応しておらず、従来の紙の証明書を求められる場合があります。利用する際には、あらかじめ提出先や手続きを担当する司法書士などに確認しておくと安心です。