「登記」は、土地や建物などの不動産が、誰の所有であるか、とか、どの銀行が抵当権をつけているのかという法律関係を表しています。これによって、自分の不動産を他人が自分のものだと主張した場合に、自分のものだと証拠にできたり、銀行の抵当権がついている不動産を誤って買ってしまったりということが防げます。つまり日本の不動産の取引の安全のためにある制度です。
登記には、会社に関する登記もあります。これはある会社が本当に存在するのか、社長はだれなのか、といったことがわかります。これによって、ほかの会社と取引をする安全が守られます。
そしてこの「登記」の専門家が「司法書士」という人です。不動産登記は司法書士以外に弁護士も業務とすることができますが、登記を専門的にする弁護士さんはほとんどいないので、慣れている方は少ないです。会社の登記は、公認会計士もすることはできますが、やはり慣れている方は少ないです。行政書士や税理士などほかの資格の人は登記を業務とするのは禁止されています。
インターネットで「相続」と検索すると行政書士や税理士のHPがヒットすることも多いですが、行政書士は遺産分割の書類を作成できますが、登記はできません。税理士も遺産分割の書類を作成したり、相続税の申告をすることができますが、登記はできません。
不動産は「だれの所有であるか」を登記することが最終目的です。
専門家に依頼する以外に自分で申請することも可能です。以前、当初私に相続登記を依頼されたのですが、「友人が自分で申請したから安くできた」というので依頼をキャンセルしたいという方がいらっしゃいました。一人っ子や、不動産をだれの所有にするのか話がうまくまとまる家庭でしたら、ご自身たちで申請することもいいと思います。ですが、その方は兄弟に海外赴任中の方がいらっしゃいました。登記に必要な書類を簡単に集められるひとばかりではありません。また、家族で遺産分割の話はまとまったものの、あとから不満が出そうな場合、司法書士は相続人皆さんの確認をしますので、「それぞれの意思を確認した」と証人になることができます。
2024年4月1日から不動産の相続登記が義務化されました。
亡くなったご家族が所有していた不動産の登記を申請していないと困っている方も多いと思います。そんな方は、ぜひ司法書士にご相談ください。